二日間のニースの滞在を終えて、電車で国境を越えイタリアに入ることにいたしました。
空はどんよりと雲が厚く、今にも雨が降り出しそうな感じです。
旅行を計画していた段階では、レンタカーを借りるべきかどうか悩みました。
美しい海岸を楽しみつつ、電車事情がよいとは言えないインペリアの取引先や
その後訪問を予定しているトスカーナ方面まで、車で移動できたらラクそうです。
でもそれは却下。
なぜならば、ニースはフランスであり、そこで自動車を借りてイタリアの営業所で
返却することは通常行われないからであります。
もっともだよなぁ・・・と思いつつ電車移動を選ぶことになったのです。
1時間に1本あるかないかのローカル線は、ニースを出発するとモナコ、サンレモなど
リゾート地に点々と停泊してジェノヴァ方面の海岸線をひた走ります。
途中、国境近くの村ヴェンティミリアで乗り換え。
トータルでおよそ1時間半、電車の窓から景色を眺めることができましたが、
音楽祭で有名な保養地サンレモを過ぎたあたりから、それまでの優雅なリゾートの景色が
一気にローカルな(田舎くさい 笑)海岸風景に変わったような印象を受けました。
サンレモから30キロばかりジェノヴァ寄りに、インペリアの町が海に向かって開けています。
ジェノヴァまで100キロばかりの距離。
インペリアの駅には、ジェノヴェーゼ・ペーストとタジャスカ・オリーブオイルの作り手
RANISE(ラニーゼ)社の経営者ロベルトが、まだわずか4歳になったばかりという
小さな女の子の手を引っ張って迎えにきてくれていました。
長身・優しい目は相変わらず。お互いに、久しぶりの再会を喜び合います。
駅から歩いて数分の距離を、彼が予約してくれた宿に案内していただきます。
「ホテル ロッシーニ」。
もともとは映画館だった建物を改装してホテルにしたそうで、
現代感覚のインテリアで落ち着けそうな雰囲気です。
昼食をとらずにニースを出発したため、少々おなかもすいてまいりました。
「後で迎えに来るよ。夕食一緒に食べよう。8時頃でいいかい?」
えっと、今はちょうど3時頃だから、それまでに少々軽く何か食べようかな・・・。
ところがあたりは、日曜日のせいかどの店もほぼ100%近くがクローズ。
わずかにあいているらしいバールを教えてもらって、訪ねてみることにしました。
伝統を感じさせるバール「PICCARDO(ピッカルド)」。
このあたりはイタリアでもほぼフランスに近い国境地帯ということで、
言葉も少々フランス語が入り混じっているような感じです。
そのためか、カフェを注文してみても、なんだかうまく通じなかったようです。
普通のカフェ・マッキァートを頼んだつもりが、なぜか薄くしたアメリカンコーヒーに
ミルク・フォームを浮かべたものを出されてしまいました(笑。
オヤツ代わりに注文したフォッカッチァは、温めていただきます。ほっ。
その後、静かな中心街を散策してみたところ、きっと平日だったらにぎわっているだろうと
想像させるお店のショウウィンドウが並んでいました。
宿のすぐそばに、昔ながらの小さなお店が細い路地にぎっしりと立ち並んでいます。
中には、最近日本でもお店を展開している「EATALY(イータリー)」も。
ロベルトは「うーん・・・イータリーかぁ。地元の人は買わないけど、観光客向けかな」
と感想を述べていました。
待ち合わせの8時までの間、こうして町をブラブラしたりお茶を飲んだりして、
あっという間に夜が近づいてきました。
さて、今夜はいったい何を食べることができるだろうなぁ・・・期待にワクワクしますね。
(続く)