イタリアに出かけるたびに、私が必ず立ち寄る場所、それはメルカート(市場)です。
色とりどりに並ぶ新鮮な野菜や取れたての魚介類、日本ではお目にかかれない丸ごとポルケッタ(子豚)やトリッパ(牛の内臓=モツ)。生ハムにパルミジャーノ・チーズ。どれもみな美味しそうで、目移りしてしまいます。実に楽しい場所です。
そんなメルカートで、しばしば量り売りされているのがドライトマトや乾燥ポルチーニ茸。これをなくして、イタリア料理は語れません。お土産に買って帰った諸氏も多いはず。
でもそれらの副食材、日本人にはイマイチ使い方が浸透していないようで、せっかくの脇役を生かし切れていないようです。
「立派な乾燥ポルチーニ茸」を求めていませんか?
乾燥ポルチーニ茸は、生なら松茸のようなイタリア中の茸の王様。そのグリル焼きはたまらない美味しさです。しかし、それを天日乾燥させたものからは、生の状態よりもはるかに多い旨味成分を蓄えているのです。それを料理に使うと・・・・
とんでもなく美味しいイタリア料理ができちゃいます。リゾット、パスタ、牛フィレステーキのソースなどなど。
ポイントは「真っ黒なダシ汁」。
戻したときに、誤って「実」だけ使っていませんか?それは大きな間違い。むしろ「実」はいらないくらいなのです。肝心なのは「汁」。それも、真黒くなるくらいよく出した汁が美味しいのです。戻し方は簡単。ぬるま湯につけて放置するだけです。
自然なものなので、茸に付着している砂が混じっています。だから、汁の沈殿物すなわち砂は、使わないようにしましょう。