スカンピ(手長海老)をたっぷり使ったトマトソース仕立ての
リングイネ・パスタは、ヴェネツィアで宿泊したホテルのレストラン。
シチリアからローマトランジットを経てやってきた長旅の疲れを
いっぺんに吹き飛ばしてくれました。
パスタを盛りつけた脇に、熟成バルサミコ酢がたらりと添えられた一皿。
バルサミコ酢と、海老のダシが効いたトマトソースが意外な好相性です。
海で囲まれたヴェネツィアならでは。新鮮な魚介類を使っていますし、
何よりも中世時代に世界中にその名をはせた華やかな宮廷文化の伝統が
料理にも感じられます。
そんなヴェネツィアに14年前に1週間、滞在していたことがあります。
サンマルコ広場から程近い靴のブティックで研修を重ねたときのこと。
世界的な観光地だけあって、サンマルコ広場からリアルト橋にかけての
一帯は、人がすれ違うのもやっとの小道が複雑に入り組んでいます。
商店のガラスのショーウィンドゥにはガラス細工がたくさん飾られていて
思わず、目を奪われてしまうのです。
今回、わざわざヴェネツィアを訪ねたのにはいろいろワケがありました。
かつて見た美しいガラス細工を愛でたかったことが一つ。
ヴェネツィアならではのお魚料理を楽しみたかったことが一つ。
そして、ヴェネツィアの名バール「カフェ・デル・ドォジェ」を訪ね
自家焙煎のブルーマウンテン豆を購入すること(笑)でした。
今回の滞在で全て目的は達成することができました。
中でも、美しいガラス細工をじかにたっぷり楽しめたことで
次回バレンタイン・フェアに出品するチョコレート・ギフトセットの
アイディアがたくさん浮かんできました。
うっとりする透き通ったムラーノ産ガラス細工の特徴は、なんといっても
色と形の組み合わせ。詳しくないですがガラス芸術の一つの指標でしょう。
最近、洋服やアクセサリーで多用されているスミレ色の謎めいた雰囲気を、
なんとかギフトパッケージにも生かせないだろうか?
と考えました。特にハートの形をしたアクセサリーが気に入りました。
スミレ色は紫色の部類なので、本来は高貴な色ですし、難しい色。
特に洋服やアクセサリーで使う場合には慎重に色を組み合わせる必要が
あります。ヨーロッパでも神秘的な色として根強い人気があるようです。
バレンタインデーではハートを贈るわけですし、ヴェネツィアでたっぷり
見てきたようなスミレ色のガラスの雰囲気を、今回のバレンタインデーで
FIATチョコレート・オリジナルパッケージでご紹介しようと思います。
短いヴェネツィア滞在を終えて、いよいよ最終目的地のフィレンツェに
向かおうとしたその日の朝、トラブルが待っていました。
ショーペロ(交通機関のストライキ)です。