ボローニャで朝を迎え、我々はチェントロ(街の中央)に向かいました。毎年、必ず訪れるMAJANIチョコレートの本店はチェントロの裏側に今年もひっそりと佇み、いつもと変わらないクラシカルな空間を保っていました。お店はそろそろ夏を迎えることもあり、チョコレートよりも夏向けのジェリーなどがラインナップ。7-8月はクローズしてしまうお店です。私のことを覚えてくれるお店の店長さんと久しぶりに挨拶を交わし、
次は郊外にあるMAJANIチョコレートの本社兼工場に向かいました。
チェントロからはタクシーで高速を飛ばして行きます。
早速、商談。
今年の冬に行われた日本のバレンタインフェアを振り返り、
今後のビジネス展開についても打ち合せ。さらに、
秋から発売開始予定の新らしい製品のチェックを行います。
既にイタリア国内向け展示会を終えており、
本社工場は次の生産活動に向けて準備を進めているところ。
いつもこの時期に訪問するのですが、
ちょうど秋冬向けカタログが出来上がったばかりで、
我々にとっては好都合な時期なのです。
これまで、製品は知りながらも現地工場を訪問するのは初めての
スタッフA子と宮Gを連れて、工場見学を行いました。
世界中からカカオ豆を直輸入し、
生豆の段階から焙煎してチョコレートを一貫して作るMAJANI。
イタリアで最古のチョコレート工場です。
日本ではとりわけ厳しい対応を迫られる異物混入を回避するべく、
我々のリクエストにより導入されたのが、赤外線透過装置。
このように、日本市場もかなり意識した投資を行ってくれました。
金属はもちろん、プラスチック片をも感知することができるそうです。
これは一体なんでしょう?
正解は、包装される前の裁断済みチョコレートの山です。
一粒あたりおよそ10グラムにカットされています。
2時間に及ぶ商談と工場見学を終え、
MAJANI社長自ら、我々にハイヤーを呼んでくれました。
それがなかなかやって来なくて、催促の電話をしてくれた社長。
また次回の訪問を約し、熱いハグでお別れです。
今夜はボローニャ在住の友人と合流して最終ディナー。
お肉がおいしい店との噂で、楽しみです。
(続く)
ルッカから届く、ベリッシモ一押しの陶製食器「ママロー(MammaRo')」と
ピエモンテから届いたばかりのベリッシモセレクションのワインを
同じ会場でお披露目する機会をいただきました。
場所は、兼ねてより世話になっている東京・白金台の路地裏に佇む
隠れ家レストラン「千年茶館」。
その人柄で多くの業界人を引きつけて離さないレストランです。
今回は、1階フロアでママローのカラフルな食器と、
ベリッシモの食材セレクションを一同に展示。
2階フロアでは、ベリッシモのワイン12種類を一挙、抜栓。
カウンターとテーブル席を使ってたっぷりとその味を
楽しんでいただいております。
会期は、9月13日(土)〜14日(日)の二日間。
秋晴れの三連休ということもあり、行楽に出かける人も多く
静かな立ち上がりでしたが、時間を追う毎にお客様も増えて、
2階の会場は満席に。
グラス売りで600円〜1500円というワインもどんどん空いて、
お客様が私たちのワインの味をどのように感じたのか
肌で感じることができました。
1階会場も、常連様を中心にオリーブオイルや陶器が売れ、
プレゼントとして用意していたチョコレートも喜ばれました。
18時頃からいらっしゃるお客様も多く、
閉店時間は少しのびましたが明日14日(日)も同様に、
朝11時から夕方18時まで開催しております。
この後も、秋のフェアは目白押しで開催されます。
ガイオーレ・イン・キャンティのゆったりした時間を堪能すると、
我々4名は現実に戻り、山を下りて高速道路に向かいました。今日中にフィレンツェの街に戻りレンタカーを返却し、荷物とともに電車でボローニャに移動せねばなりません。キャンティの山の中から花の都までは高速で1時間余り。現地の運転に慣れているスタッフA子に運転は全て任せ、私とワインガイドの宮G氏は上下の瞼がすっかり仲良し。
フィレンツェの市街地を見下ろすミケランジェロ広場に立ち寄り、
そのまま無事に車は返却と相成りました。
フィレンツェ中央駅の名前にも使われている有名な修道院
「サンタマリア・ノヴェッラ」薬局で香を求めました。
トスカーナ出身のレオナルド・ダ・ヴィンチが使用したフラスコ等の
展示室は前回、拝見しました。歴史の重みを感じさせる空間です。
ボローニャとフィレンツェ間は、ユーロスターを使えばわずか35分。
険しいアペニン山脈を抜ければ、文化が少々異なる北部イタリアです。
トンネルが多い区間。どの電車でも所用時間は大して変わりませんが、
リクエストにより電車は真っ赤な躯体の「イタロ」を奢ってみました。
途中ほんの数秒ですが、時速300キロで駆け抜けてくれます。
さてボローニャのお宿は、15年ほど前、前職時代によく泊まった
ここは出張のたびに「ボローニャの宝石箱」FIATチョコレートを
仕事先から毎回、お土産でいただいていた思い出のホテル。
ボローニャを起点にするなら交通がとても便利です。
駅からも、歩いてわずか10分。街の目抜き通りに面しています。
チェックインのあと、近くの「Donatello」に夕食に出かけました。
壁にびっしり飾られた歌手や俳優たちの写真。
美食の街にある老舗レストランではよく見かける光景です。
「タリアテッレ・アッラ・ボロネーゼ」はボローニャに来たら
一度は口にしないと気が済みません。
ゴロゴロとしたお肉がたっぷりのモチモチとしたパスタは、
いわゆる「ミートソース・スパゲティ」とは全く異なるお料理です。
目を楽しませてくれるポルティコ(回廊)の天井画にうっとり。
閉店したあとも深夜まで明かりが灯る商店街のウィンドウも、実に美しい。
道行く地元の人々は、そぞろ歩きをしながら品定めに余念がありません。
ウインドウ越しに、憧れの品物をじっと見つめてドキドキする。
私たちが忘れかけている高揚感がそこにはありました。
そんな夜の街もまた、イタリアのお楽しみの一つなのです。
小さなトスカーナの村を車で巡った最後の締めくくり、
それはキャンティクラシコで有名な赤ワインの産地
ガイオーレ・イン・キャンティの小さな村
「ロッカ・ディ・カスティリヨーネ」です。
この村は、キャンティ地方の高台にひっそりとある村で、
村全てがワイン作りとオリーブオイル作りに携わります。
その中心地にはワイナリーとレストランがあり、
ワインは既に日本にも輸入されているのですが、
オリーブオイルはベリッシモが初めての輸入です。
オイルを紹介してくださったオリーブオイル・ソムリエの
Mさんは日本各地でオリーブオイル講座を開いており、
本当に美味しいオリーブオイルを知り尽くしたプロ中のプロ。
このところ人気が出ている若手のイタリアンシェフからも
絶大な信頼がある人物です。
「凄くいいオイルだからベリッシモで輸入してみてはどうかしら?」
そんなご提案をいただき、今回初めてやってきたのです。
ベリッシモでは他に二つのオイル製造メーカーと
取引がありますが、シチリアとリグーリアが産地であり、
地方毎に味が全く異なるオリーブオイルの世界の中で
きりりと引き締まった濃いグリーン色をしたトスカーナの
オリーブオイルはぜひとも欲しかったところでした。
さてトスカーナ産のオリーブオイルといえば、
喉を通る際の「辛さ」そして「若草のような香り」が特徴です。
肉料理や豆を使った料理がとても美味しいトスカーナ地方で
それらのお料理には、このタイプのオイルがぴったり合うのです。
フルーティさが身上でトマトにぴったり合うシチリア産オイル。
大雑把に言えば、そういう分け方になるでしょうか。
当日、レストランでいただいたお肉料理と合わせると
改めてその素晴らしいマッチングを楽しむことができました。
そして、色はどのメーカーのものよりも深い緑色。
極めて高品質なオリーブオイルと言えるでしょう。
ベリッシモのオリーブオイルラインナップがまた一つ、
充実しました!
最後に、食後の甘い赤ワイン「ヴィンサント」を
デザートチーズに合わせていただきました。
美味しかった肉料理の締めくくりにぴったりの組み合わせ。
オトナなイタリアンは、こうでなくちゃね。
(続く)